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股関節形成不全って何?

        posted by , March 31, 2012

股関節形成不全

特に大型犬や超大型犬に多く見られる。股関節が亜脱臼を繰り返し悪化していく。先天性の病気ではあるが発育期の栄養過剰による肥満、床など滑りやすい環境(室内飼いの場合)で関節に負担をかけたりなどは病気を悪化させてしまう。
股関節形成不全とは?
股関節は、ボールになっている大腿骨の先と骨盤にあるソケット状の関節がかみ合って成り立っています。
もしこのボールとソケット部分に歪みや隙間があったりその骨を支える靭帯がゆるかったりすると、ボール部分がソケットからずれてしまうことがあります。(亜脱臼)
これが時間と共に繰り返し起こると、他の退行性変化が起こり痛みを伴ったり、歩行困難やお尻が弱くなったりします。
この病気は進行性であり、時間と共に悪化してしまいます。
股関節形成不全の遺伝について
この病気の遺伝形式は多遺伝子性(多くの異なる遺伝子に起因)です。科学者によるとまだどの遺伝子、またどの位多くの遺伝子が関連しているかわかっていません。事実としてわかっているのは肥満、急激な成長、高カロリーやおやつがこの病気を悪化させるということです。
股関節形成不全が起こるとどうなるか
股関節形成不全の重症型は幼犬期(1歳未満)に発症しますが、この病気の症状は成犬(年をとってから)になって多く見られます。股関節の緩みは若い犬にも見られますが、痛みを伴うような変化(骨関節炎のような)が出るまでに数年かかる場合が多いからです。この病気を持つ犬は運動後に痛みを感じたり、階段の上り下り、時には起き上がりが困難だったりします。ただ、このような症状は常に見られるものではないかも知れません。しかし時間の経過と共にひどくなっていきます。完治は期待できませんが、犬が感じる痛みや歩行困難は体重管理や、運動制限、また痛み止めや鍼治療などのセラピーで軽減できる場合もあります。
股関節形成不全は過剰な食事や幼少期の急激な体重増加が起因し、主に大型犬や超大型犬に多く見られます。もし大型、超大型犬の子犬を育てている場合は、将来の股関節形成不全を防ぐためにも、食事に気をつけて下さい。信頼できる獣医さんにその犬の正しい体重、食事を確認して下さい。
股関節形成不全はどのように診断される?
獣医さんは、中~大型犬、超大型犬で腰(臀部)の痛みや歩行障害が見られる場合恐らく股関節形成不全を疑うでしょう。レントゲンを撮って骨盤と大腿骨の一般的な一致具合を診断し、股関節の炎症の有無を見つけることになります。その際犬のポジショニングが重要になり、鎮静剤や麻酔が必要になる場合もあります。股関節の緩み具合を見るためには、特別な力を加えたり特殊なレントゲン方法が必要になる時もあります。
(OFA(The Orthopedic Foundation for Animals)によって診断基準が2歳以上とされるレントゲン方法や、16週から評価できるPennHipという方法などいくつか診断方法がある)
股関節形成不全はどのように治療するか?
股関節の異形程度が常に痛みと比例するとは限りません。犬によってはX線で悪化が強く認められる場合でも、小さな変化しか現れていない場合よりも痛みが弱いこともありえます。
股関節形成不全には治療法はありませんが、痛みを和らげる方法はあります。抗炎症薬や鍼治療のような方法も治療も有用です。グルコサミンなどの栄養補助食品も役立つかもしれません。また痛みを和らげるには運動量をコントロールし、体重管理をすることがとても重要になります。
痛みが深刻だったり、上記にあげたような治療法に効果が見られない場合には手術を勧める場合もあります。
繁殖の際の注意点
犬における股関節形成不全は1960年代から続く改善努力にも関わらず、未だ問題として多くの大型犬、超大型犬に見られます。
これはどの遺伝型が起因しているか判断するのがほぼ不可能であり、多遺伝子性遺伝が関与する股関節形成不全の疾患をコントロールするのは難しいとされているためです。
コントロールにおける最も有効な手段は疾患の評価を体系的に格付けし、出来るだけ多くの犬についての結果を繁殖ポリシーとして犬種ごと記録、発表していくことです。
多くに国において繁殖団体や獣医はレントゲン評価および集められた犬の登録記録をもとしコントロールプログラムを発展させてきました。大型犬、超大型犬種の場合は繁殖前に確立されたスクリーニング検査の何れかを受け、ガイドラインに則り繁殖するべきとされています。DI(Distraction index)はPennHipの技術によって評価される”緩み具合指数”で、これは子犬に対する股関節形成不全を予測する方法として統計上最も有効とされています。
ブリーダーにおいて股関節形成不全を防ぐ一番の対策は原則的には正しいレントゲン法評価で病気がなく、またこの病気がないとされる家系からきた犬同士のみを交配させることです。産まれた子犬に股関節形成不全がある犬は交配させてはいけません。(股関節形成不全を持つ犬からも病気の無い子犬が生まれますし、逆に股関節形成不全でない犬からも病気をもつ子犬が生まれることもあります。)
Resources:1998 Canine Inherited Disorders Database. University of Prince Edward Island
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