雷が怖い犬について

• 何故、雷を怖がるのか？
• 雷を怖がっているサイン、ストレスサインとは？

やってあげられること

• 叱らない！
• 出入りを自由に！
• 高い声や心配した様子で声をかけない！
• 無視をしない！
• 飼い主さんは雷に動じない姿を見せる
• 安全な隠れ場所を作ってあげる
• 運動させておく
• 一緒に遊ぶ
• オヤツが入ったオモチャを使う
• テレビや音楽などをかける
• サンダーシャツやボディラップを着せてみる
• 社会化をさせる
• 獣医さんに相談する

雷を怖がる理由は複雑で専門家の間でも明確な答えは出ていませんが、雷が怖い要素は以下が考えらます。

• 雷の他にも花火や掃除機など大きな音が苦手な場合、「音」に敏感に反応している可能性（ボーダー・コリーなどの牧羊犬は特に音に敏感に反応する傾向（音恐怖症）があるという研究があります）
• お風呂場やトイレなどに逃げ場を求めている場合は、雷雲が近づくことで静電気を感じている可能性（水分、湿気が多い場所は静電気の発生を防ぐため）
• 稲光と共に恐ろしい音を聞いた、近所に落雷した、洪水を経験したなど、過去に何か怖い思いをした経験がある。雷を怖がるようになるのは成犬になってからが多いのも、怖かった思い出と結びついている可能性
• 分離不安症の傾向がある犬の場合、留守番時に雷を経験したことから、雷が一人で不安だった感情やまた一人になってしまうかもなどの負の感情と結びついている可能性
• 野生で生きていた記憶から様々な危険を感じ、早く巣穴に戻りたくなるような落ち着かない気持ちになっている可能性

• 荒い息遣い
• ひんひん鳴く
• ヨダレが出る
• あくびをする
• 上目遣いになる（クジラ目になる）
• 耳を後ろに倒す
• 尻尾が下がる、足の間に垂れる
• 唇を舐める
• 震える
• お漏らししてしまう
• 床や壁を掘るような行動をとる
• 家具や物を噛んでしまう
• ウロウロ落ち着かず歩いてる
• 物陰に隠れようとする
• 逃げようとする（脱走しようとする）
• 家族のそばにピタっとくっつく

雷を怖がっている犬にしてはいけないこと

恐怖から起こす行動は自発的な行動ではありません。例えば、美味しい匂いがした時にヨダレが出るなどのように無意識で起こる反応です。

犬の意志で出入りが出来ない場所に閉じ込められたり、動けない状態は危険を招きます。予想以上の力で脱出しようと試みて怪我をしてしまうかも知れません。

怖がっている犬を安心させようと、声のトーンを高くしての声掛けをして撫でるなど「いつもと違う」行動は犬を更に不安にさせてしまいます。犬は私達が考える以上に人の感情を感じ取っているそうです。愛犬の様子が心配な気持ちが、犬を不安にさせてしまわないよう、いつも通り「雷では何も変わらない」飼い主さんでいて下さい。

愛犬は怖いと感じていても、頼りになる飼い主がそばにいるから大丈夫なはずだと思っているかも知れません。無視をしたり避けたりするといつもと違う態度で犬は混乱してしまいます。飼い主さんは普段通り、愛犬と目があったら声をかけたり撫でてあげて下さい。

激しい雷は落雷の心配や停電を起こしたり、人であっても怖くなってしまう時があります。飼い主が不安な表情をしたり声をあげてしまうと、愛犬はあなたのストレスを敏感に感じ「飼い主さんでも怖くなるほどのもの！」と思ってしまうかも。逆に飼い主さんがいつも通りなら心強く、それだけで安心材料になります。

狭い場所、暗い場所などに隠れたがる犬には、隠れ場所が安全で少しでも心地良い場所にしてあげます。

• 飼い主さんのベッドや布団の下に隠れたことがある場合は、寝室へ出入りが出来るようにしてあげる
• 犬にとっての安心グッズ（ブランケットやベッド）などを隠れ場所に置いてあげる
• トイレ、お風呂場（特にバスタブに入ろうとする場合）など、床で滑って怪我をしてしまわないように気をつけてあげる
• 家具の間に隠れるような場合は、周りに落ちてくる物がないか確認してあげる
• 犬が普段から怖がる物などが隠れ場所にある場合は移動しておく
• クレートなど可能な場合、上からカバーをかけて暗くしてあげる
• 犬自身の意志で出入りが出来るよう入口を塞がないようにすること
• 隠れ場所が暑くなっていないか気をつけてあげる
• 犬に入って欲しくない場所、危険な場所はドアを閉めておく

「運動して疲れた犬は大人しい」と言われますが、運動には身体的に疲れさせるというだけではなく、精神を安定させる効果もあると言います。エクササイズをすると、脳内で「体内で分泌されるモルヒネ」と呼ばれるエンドルフィンという神経科学物質が作られ、ストレスを和らげる鎮静作用があるそうです。また外でおトイレ派の犬は、トイレを済ませて置けると安心です。

運動にもつながりますが、楽しいことを一緒にしてあげることも助けになります。

パズルゲームなど頭を使ってオヤツを取り出すようなオモチャは鼻と頭を使って夢中になってくれる犬が多いです。

他に音源があることで、雷や花火の音が目立ちにくくなる効果があります。聞き慣れていないような大きな音ではびっくりしてしまうかもしれないので、普段からよくかけている音楽などが良さそうです。また飼い主さんがリラックスして歌っていたり、普段通りにしていることは犬にとって「怖がらなくても大丈夫」というサインにもなります。

犬の胴体をキュと抱え込むことでおくるみの様な効果があるようで、愛犬にボディラップを使用した飼い主に対する調査で5回使用した後には89％が、少なくても部分的に雷恐怖症に効果があると報告したそうです。

もしも愛犬がまだ子犬の場合、世の中には色々なことがあることを学んでおくことはとても大切になります。母犬や兄弟犬と過ごす時期だけではなく、新しい家族に迎えられてからの若年期に様々な体験をさせてあげて下さい。

愛犬の状態で気になることがあれば獣医さんに相談を。恐怖が大きなストレスを与えている場合には、医療行為など獣医さんなら出来る解決方法があるかも知れません。

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