本物の犬?ぬいぐるみでは?
この研究では19人の男女が、犬を見る、犬が足に寄りかかる、犬を撫でる際の前頭前野の活動を機能的近赤外分光分析法で計測しています。同じ条件で、犬の体温と同じ位の湯たんぽが中に入っているライオンのぬいぐるみでも行われました。研究に参加した犬達は、人との接した方や院内で患者と過ごす訓練を受けている3匹。6歳のメスのジャックラッセルテリア、4歳のメスのゴールデンドゥードル、4歳のメスのゴールデンレトリーバーです。犬を撫でると人の脳は特に活発になる
結果、本物の犬でもぬいぐるみとでも接している時に前頭前野の活動が大きくなりました。ただし活動は本物の犬との方が大きく、特に撫でている時が一番活発になったそうです。また、犬に触れ合う度に活動が活発になったといいます。これはぬいぐるみでは起きなかったことから、反応のある本物の犬だからこそもたらせる親しみや社会的な絆に関係しているのかもしれません。前頭前野が活性化するとQOLが上がると言われています。犬好きなら犬に触れると幸せな気持ちになれることは経験で気づいていると思いますが、人の脳の働きまで高めてくれるなんて犬って本当に素晴らしい!前頭前野とは何か?
脳は大きく分けると「大脳」「小脳」「脳幹」になり、このうち大部分を占める大脳には前方から「前頭葉」「頭頂葉」「後頭葉」、側面に「側頭葉」があります。「前頭前野」はこの「前頭葉」の大部分を占めています。人間の「前頭前野」は他の動物と比べ非常に大きく、この部分の発達が人間の特徴の一つとも言えます。この「前頭前野」の働きには、思考、創造性、記憶や感情の抑制、社会的行動、集中する、やる気を出すなど多岐に渡り、とても重要な働きを担っています。