介助犬は頼れるパートナーとして、色々な分野で活躍しています。日本でも目が不自由な人のお手伝いをする盲導犬を電車や街で見かけることも多くなってきました。そんな盲導犬とユーザーについての記事を見つけたので紹介します。以前から介助犬とそのハンドラーはリスや猫、スケートボードなど犬の気が散ってしまうようなことにも対応できるように訓練をしてきている。しかし、今日では昔にはなかったようなこと、例えばドライブ音がとても静かな車や、押しボタン式の信号などにも気を配る必要が出てきた。中でも一番の心配事は他の犬との遭遇だろう。"昔は他の犬と遭遇する場所といえば、大体が散歩中の犬で歩道だった"と、アメリカにある"Guide Dogs for the Blind"のモーガンさんは言う。モーガンさん自身も11歳の時に視力を失い始めた。最近ではペット同伴可の施設が多くなりスーパーやショッピングモール、中には歯医者さんでも見知らぬ犬に遭遇することがあるらしい。"どこにいても犬に遭遇することを仮定しながら、盲導犬のトレーニングを行っている"とモーガンさん。どんな物、又どんな人であっても、介助犬の集中を乱すようなことは障害物とみなし介助犬は無視するようにトレーニングを受けるという。一生懸命仕事をしている介助犬とユーザーに対する誰でも出来る手助けは、基本的なルール:介助犬に近づいて撫でたりしないということを守ることだ。"介助犬はとてもトレーニングが行き届いておりマナーがいいので、ついつい撫でたくなってしまう人が多い" 実際、モーガンさんも自身の介助犬ウィルがどっちを向いているのかを知ろうと思い、手を伸ばしてみると誰かが犬を触っていたという経験は何回もしているという。もうひとつ、介助犬の障害を減らす簡単な方法は、飼っている犬のリードを離さないということ。もし見知らぬ犬がウィルに吠えてきても、恐らくたじろぐことなくそのまま歩き続けるだとうと、モーガンさんは言う。介助犬はケンカをしないようにもトレーニングを受けている。もしも介助犬が他の動物から攻撃を受けたら、ユーザーはハーネスを離し助けを呼ぶことになってしまう。盲導犬とユーザーにとってもうひとつの新たな危険は電気自動車だという。モーガンさんは耳がとてもいいため、通常であれば電気自動車の音を聞き分けることが出来る。しかし、騒音が激しい交差点などでは難しくなるという。盲導犬はこのような場合、"進む合図"が出されていても、パートナーの安全のために進むことはないという。"もしウィルが指示を聞かない場合はウィルに従う。そこには理由があると信頼しているから"とモーガンさん。電気自動車などの低騒音車に加え、車線拡張や中央分離帯設置が増えたり、ラウンドアバウト、赤信号時の右折(アメリカでは赤信号でも安全確認の上、右折できる場所が多い)、車椅子用道路などなど、様々な環境の変化について対応し介助犬のトレーニングをする必要が出てきているという。モーガンさんは40歳で初めての盲導犬を手にし、コンピューターテクノロジーのキャリアから"Guide Dogs for the Blind"のCEOになった。ウィルと歩いていると、ウィルが体を曲げた時やペースを変えた時、頭をあげたりする様子はハーネスを通じ感じることが出来るという。"周りは音を立てるが、ウィルは音を立てない。ウィルはただ見て導く。私は指示を出して褒める"とモーガンさんは言う。
成人してから視力をなくしたセシリアさんはあらゆるタイプのテクノロジーに頼っているという。お金の種類やバーコード、色などを音声で知らせるiPhoneのアプリや”TrekkerBreeze"という音声案内GPSは彼女の現在地と、そこからの帰路を教えてくれるなどなど。しかし、そのようなテクノロジーに加えて盲導犬も力強い味方だ。機器では木の根っこや梯子、子供が置き忘れたおもちゃなどの障害物を避けることは出来ないからだ。盲導犬は空港の待合室では空いている席を見つけ、バスに乗るときは助け、エスカレーターまで導いてくれる。そして何より、一日の終わりに愛情のある温かさを持って彼女の隣に寄り添う。盲導犬は彼女がこの世で一番信頼している仲間だ。September 19, 2011