「賢い犬」と聞いてどんな犬を思い浮かべますか?トレーニングの覚えが早かったり、コマンドを守れる犬?おもちゃの名前を知ってる犬?又は自分で判断して行動する犬?一般的に人を喜ばすことが好きな犬は、独立心が強い犬に比べてトレーニングの習得が早いと言われます。しかし、自分で判断して行動をする犬が頭が悪いとは言えず「これ(トレーニング)をして何か良い事があるのか」と考えているのかもしれません。カナダ・バンクーバーにあるブリティッシュ・コロンビア大学の心理学教授スタンリー・コレン教授(Stanley Coren)の著"The Intelligence of Dogs"によると、犬の知能は下記の3つのタイプに分けられるといいます。- 適応知能(学び、問題解決する能力) - それぞれの犬で異なる(犬のIQテストによる)
- 本能的知能(直感的な知能) - それぞれの犬で異なる(犬のIQテストによる)
- ワーキング/オビーディエンス(従順)知能 - 犬種による(犬種の持つ歴史など)
ここで紹介する「賢い犬種ランキング」はスタンリー教授の設けた「新しいコマンドを理解する能力(何回繰り返して理解するか)」と「最初のコマンド(1回目のコマンド)で従うか」を犬の知能判断基準にし、犬の訓練士達に調査を行い犬種毎のスコアを出したものだそうです。このランキングは基本的に人の出した指示に対しての理解力を判断するものなので服従行動(タイプ3)に関わるランキングとも言えそうです。その為上位には牧羊犬、レトリーバーなどの人の指示に注意深く従う仕事をしていた犬種が多いようです。逆に下位にいる犬種は独立心が強かったり、自ら獲物を追い猟師を導くタイプが目立ちます。これらの犬種は決して知能が低いのではなくランキングの「基準」によるものです。
新しいコマンドに対する理解力 : 5 回繰り返し以内
一度目のコマンドで従う :95%以上
新しいコマンドに対する理解力 : 5回~15回繰り返し
一度目のコマンドで従う :85%以上
新しいコマンドに対する理解力 : 15回~25回繰り返し
一度目のコマンドで従う : 70%以上
新しいコマンドに対する理解力 : 25回~40回繰り返し
一度目のコマンドで従う : 50%以上
新しいコマンドに対する理解力 : 40回~80回繰り返し
一度目のコマンドで従う : 30%以上
新しいコマンドに対する理解力 : 80回~100回繰り返し
一度目のコマンドで従う : 25%以下
パズルなど独自で解決する能力、創造性に優れている犬など「基準」が変われば別の結果が出るかもしれません。そして勿論、同じ犬種であってもそれぞれの犬によって違いがあります。このランキングでは現在に至るまでの歴史が似ている犬種達でも差がみられ、これは調査対象の犬達の個性や状況などによるものだと思われます。新しく犬を迎える際に、しつけがし易い犬を考えている?
このランキング上位の犬種が飼いやすい犬種というわけではありません。全ての問題行動が躾で解決するのでないですし、犬はコマンドだけに従って生きているわけではありません。知能が高い犬であっても人間と同じように考えるわけではないので、例えば犬が退屈している時に、「靴を咥えたら飼い主が追いかけっこをしてくれた!」経験をすれば、「靴=飼い主がかまってくれる」と覚えてしまうかもしれません。それぞれの犬に合った運動量、スペース、時間、家族構成、目的(番犬やアクティビティなど)など様々な点を考えて一番合う犬があなたにとって最高のパートナーになるはずです。